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バッテリー上がりで業者を検索する前に|ロードサービス高額請求と「まず保険会社」の鉄則

先に結論からお伝えします。車が動かなくなったら、ネットで業者を探す前に、まず加入している自動車保険のロードサービス窓口(または保険代理店)に電話してください。 自分で検索して呼んだ業者の費用は、後から保険会社に請求しても全額は戻らないことがあります。

「バッテリーが上がった」「パンクした」「脱輪した」——予期せぬトラブルで気が動転しているとき、多くの方がスマホで「バッテリー上がり 業者」「レッカー 近く」と検索します。ところが、その検索結果の上位に出てくる業者に依頼して、数万円から十数万円を請求されたという相談が全国で急増しています。国民生活センターへの相談件数は2020年度の95件から2022年度には773件へと、わずか2年で約8倍になりました。2025年3月には消費者庁が事業者名を公表して注意喚起するまでに至っています。

この記事では、当社(京都の保険代理店サポートフォース)で実際にあったご相談をもとに、「なぜ高額になるのか」「なぜ保険で全額戻らないのか」「困ったときの正しい連絡順序」をお伝えします。

実際にあった相談例|保険にロードサービスが付いていたのに、自己負担に

自動車保険にロードサービスが付いていても、保険会社を通さずに自分で業者を呼ぶと、その費用は「自己手配」扱いになり、保険では一部しか、あるいはまったく補償されないことがあります。 これが今回のご相談で起きたことです。

当社のお客様(ご加入の自動車保険にロードサービスが付帯されていました)が、外出先でバッテリー上がりに遭われました。急いでいたこともあり、スマホで検索して上位に出てきた業者にそのまま電話。作業員はすぐ来てくれて対応も丁寧だったそうです。ところが作業が終わってから提示された請求額は、サイトに書かれていた「基本料金」とはかけ離れた高額なものでした。

後日、「保険で戻るはず」と保険会社に事後報告のかたちで請求されましたが、保険会社が支払えるのは、保険会社が手配した場合に相当する妥当な範囲の費用まで。請求額の大部分は自己負担となり、お客様は結果的に泣き寝入りせざるを得ませんでした。

もし最初に保険会社のロードサービス窓口に電話していれば、バッテリー上がりの応急処置(ジャンピング)は原則キャッシュレス、つまりその場での支払いなしで受けられていたケースです。「保険に入っているのに、使い方を間違えただけで数万円を失う」——これが本記事でいちばんお伝えしたいことです。

なぜ高額になるのか|検索上位の「格安表示」業者の手口

検索結果の上位に表示される一部のロードサービス業者は、広告費を払って上位に表示させ、サイトには「基本料金1,980円〜」などの安い金額だけを載せ、現場で高額な見積もりを提示する、という手口を使っています。 消費者庁が2025年3月に公表した事例をもとに、流れを整理します。

  1. 検索結果の上位に「安い」サイトが出る 「基本料金 3,980円(税込)〜」「業界最安水準」といった表示。実際にはリスティング広告(スポンサー枠)として上位に出ているものでした。
  2. 電話しても料金の説明がない フリーダイヤルにかけるとコールセンターにつながりますが、具体的な料金の説明はなく、「現場で見積もる」と言われます。
  3. 現場で初めて高額な見積もり 作業員が到着し、内容の説明もなく「合計〇万円、先払い」「見積金額は十数万円になる」と提示。困っている状況では断りにくく、やむを得ず承諾してしまいます。
  4. 作業後にさらに上乗せ 見積もりより数万円高い金額を請求されたり、カード可のはずが現金払いを求められたりした例も報告されています。

国民生活センターの相談事例では、バッテリー上がりで呼んだ業者から「基本料金3,500円+バッテリーテスター作業8,000円+高電圧充電作業30,000円+緊急対応費・祝日対応費…」と積み上げられ、合計約7万円を提示されたケースが紹介されています。作業時間はわずか10分程度で5万円超を請求された例もあります。

ポイントは、こうした業者の対応自体は丁寧で、到着も早いことが多いという点です。「感じのいい人が来てくれた」という安心感があるため、その場では高額請求だと気づきにくく、後になって「おかしい」と思っても既に支払ってしまっている。この構造が、被害を大きくしています。

なぜ保険で全額戻らないのか|「手配」と「費用補償」の違い

自動車保険のロードサービスは、保険会社が提携業者を「手配」して現場に向かわせる仕組みが基本です。自分で呼んだ業者の費用を後から請求する場合は「費用補償」の扱いになり、①事前連絡がないと限度額が下がる、②妥当な金額を超える部分は支払われない、③そもそも対象外になる場合がある、という3つのハードルがあります。

たとえば一般的な自動車保険のロードサービスでは、次のように整理されていることが多いです(内容・金額は保険会社・商品・約款によって異なります)。

  • 走行不能時に専用デスクへ連絡すると、レッカーけん引や短時間で終わる応急処置(バッテリー上がりのジャンピング、パンク時のスペアタイヤ交換、キー閉じ込み時の鍵開けなど)を原則キャッシュレスで利用できる
  • レッカーは、専用デスクへの事前連絡があれば限度額が大きく(無制限の商品も)、事前連絡なしで自分で手配した場合は限度額が低く設定されている
  • 事前連絡がない場合、対象外となることがある

つまり「後から請求すれば同じ」ではありません。保険会社が支払うのは、あくまで保険会社が手配した場合に相当する社会通念上妥当な費用の範囲です。相場の数倍を請求する業者に払った分は、保険会社にとっても「妥当な費用」とは言えないため、その差額は契約者の自己負担になります。日本損害保険協会も「ロードサービス業者を利用した後に保険金を請求しても費用の全額の支払いを受けられないことがある」と明記して注意を呼びかけています。

「JAF」で検索してもJAFが出るとは限らない

「JAF」とキーワード検索したときに、検索結果にJAF以外の事業者が表示され、それを JAF だと思って依頼した結果、高額な料金を請求された——こうした苦情が JAF 自身に複数件寄せられ、2025年3月に注意喚起が出されています。

JAF会員の方は「JAFを呼べば安心」と思われるでしょうし、それ自体は正しい判断です。問題は「呼び方」です。検索結果の上位(特に「スポンサー」「広告」と表示されている枠)には、JAF に似た名称やデザインの業者が出てくることがあります。今回のご相談でも、保険会社の担当者から「JAFを調べると、検索上位に悪質な業者が並ぶことがあるので注意してほしい」という話がありました。

JAF に救援を頼むときは、検索結果からではなく、JAF公式アプリ(GPSで現在地を送れるので位置説明も楽です)か、会員証・公式サイトに記載の番号から要請してください。

車が動かなくなったときの正しい連絡順序

順番は「①安全確保 → ②保険会社のロードサービス窓口(または代理店) → ③それでも自分で呼ぶなら総額を先に確認」です。 検索は最後の手段にしてください。

  1. 安全を確保する
    ハザードランプを点け、高速道路や交通量の多い道では車外の安全な場所へ。落ち着いてから連絡します。
  2. 保険会社のロードサービス専用窓口に電話する
    連絡先は保険証券、契約時にお渡しするカード・シール、保険会社の公式アプリに載っています。24時間365日受付が一般的です。「保険会社が手配した業者」であれば、その場の支払いは原則不要です。
  3. 番号がわからなければ、まず代理店へ
    証券が手元にない・どこに電話すればいいかわからないときは、サポートフォースにお電話ください。契約内容を確認して、ロードサービス窓口へおつなぎします(営業時間外は保険会社の窓口番号をご案内できるよう、ご契約時にスマホへの登録をおすすめしています)。
  4. JAF会員なら公式アプリから要請
    検索結果からではなく、必ず公式アプリ・公式サイトを使います。
  5. どうしても自分で業者を呼ぶ場合
    電話の段階で「出張費・作業費・深夜料金などを含めた総額」を聞き、答えない業者は避けてください。到着した作業員が社名や氏名を名乗らない、身分証を出さない場合も要注意です。作業前に見積もりを書面(メッセージでも可)で受け取り、納得できない金額なら作業を断って構いません。

家族にも共有を
相談件数の多くを占めるのは20歳代や学生など、車のトラブルに慣れていない方です。お子さんやご家族が車を使う場合は、「困ったらまず保険会社の番号に電話」をあらかじめ伝えておいてください。保険会社の窓口番号を家族のスマホに登録しておくだけでも、被害はかなり防げます。

すでに高額な請求を受けてしまったら

支払う前であれば、納得できない金額はその場で断ってよいとされています。支払ってしまった後でも、泣き寝入りする前に消費生活センター(局番なしの188)と、加入している保険会社・代理店の両方に相談してください。

  • 支払う前:「事前に説明された料金と違う」ことを伝え、支払いを保留する。脅すような態度や車の返却拒否があれば、警察相談専用電話(#9110)へ。
  • 支払った後:請求書・領収書・サイトのスクリーンショット・通話履歴を保存し、消費生活センター(188)に相談。保険会社にも状況を伝え、費用補償として支払われる範囲がないかを確認します。
  • 代理店として:当社でも、こうした事後のご相談に同席し、保険会社への請求内容の整理をお手伝いしています。全額が戻るとは限りませんが、何もしないよりは確実に前に進みます。

よくある質問

Q. 自動車保険にロードサービスが付いているか、どこで確認できますか?
A. 保険証券の「特約」欄、または保険会社の公式アプリ・マイページで確認できます。現在の自動車保険はロードサービスが自動付帯(全契約対象)になっている商品が多いですが、会社・商品によって呼び方や内容が異なります。わからなければ代理店にお問い合わせください。

Q. バッテリー上がりも保険のロードサービスで無料になりますか?
A. 多くの自動車保険で、ジャンピング(ブースターケーブルによる始動)は「応急処置」として原則無料(キャッシュレス)で受けられます。ただしバッテリー本体の交換が必要な場合、部品代は自己負担になるのが一般的です。年間の利用回数に制限がある会社もあります。

Q. 保険のロードサービスを使うと、翌年の保険料(等級)は上がりますか?
A. ロードサービスの利用のみであれば、事故として扱われず等級には影響しないのが一般的です(会社・商品によります)。「保険料が上がるから」と使うのをためらう必要はありません。

Q. 自分で呼んだ業者の領収書があれば、後から保険で全額戻りますか?
A. 保険会社が「妥当な費用」と認める範囲までです。事前連絡がない場合は限度額が下がったり、対象外になったりする商品もあります。相場を大きく超える請求分は自己負担になる可能性が高いとお考えください。

Q. JAF会員なら保険のロードサービスは不要ですか?
A. 守備範囲が違うため、併用する価値があります。保険のロードサービスは「契約している車」に、JAFは「会員本人」に付くのが基本で、レッカーの距離や回数の条件も異なります。どちらも「公式の窓口から呼ぶ」ことが大前提です。

まとめ|「困ったらまず保険会社」を家族で共有してください

車が動かなくなったら、ネット検索より先に自動車保険のロードサービス窓口へ。これだけで、数万〜十数万円の自己負担を防げます。保険に入っていても、使い方を間違えれば補償は受けられません。

サポートフォースでは、複数の保険会社を取り扱う京都の代理店として、ご契約の自動車保険にどんなロードサービスが付いているか、緊急時にどこへ電話すればよいかを、ご契約時と更新時にあらためてご案内しています。「うちの保険はどうだったか」「家族の車も同じか」など、お気軽にご相談ください。

出典・参考

  • 消費者庁「ウェブサイトでは適正かつ低額な料金でロードサービスを行うかのように表示し、実際には高額な料金を請求する事業者に関する注意喚起」(2025年3月24日、消費者安全法第38条第1項に基づく公表)
    — https://www.caa.go.jp/notice/entry/041483/
  • 国民生活センター「インターネットで依頼したロードサービスのトラブル急増-20歳代や学生は特に注意を!-」(2023年7月19日。相談件数 2020年度95件→2021年度231件→2022年度773件)
    — https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230719_1.html
  • 国民生活センター「ネット検索で見つけたロードサービスのトラブル」(2024年4月23日)
    — https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240423_1.html
  • 一般社団法人日本損害保険協会「ロードサービス業者との料金トラブルにご注意ください」
    — https://www.sonpo.or.jp/news/caution/road-service.html
  • JAF「【注意喚起】JAFへのロードサービス要請は、”JAF(日本自動車連盟)”のサイトまたはJAFアプリをご利用ください」(2025年3月25日)
    — https://jaf.or.jp/common/news/2025/20250325-002
  • 自動車保険に付帯するロードサービスの内容・限度額・事前連絡の要否は各保険会社の約款・商品により異なります(サービスの名称も会社によって異なります)。個別の契約条件は必ずご自身の約款・契約先でご確認ください。本記事の相談例は、個人が特定されないよう内容を一部変更しています。

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